メダカ メダカの上手な飼い方

小さな子どもでも上手に飼っている場合がありますが、いざ自分が飼うとなかなか上手く飼えないものです。メダカの飼育は本来そんなに難しいものではなく、子どもからお年よりまで簡単に世話のできるさかなです。ところが実際に飼育してみると、大人でも次々に死なせてしまうことがあります。そこで、誰でもメダカを上手に飼育できる方法を説明します。
ポイントは4つです。
1)メダカをたくさん入れすぎない
2)餌を与えすぎない
3)水質の悪化に注意する
4)かまいすぎない
この4点を守って飼育すれば失敗しないでしょう。

1.メダカをたくさん入れすぎない

狭い容器にメダカをたくさん入れすぎないことが大切です。それは、狭い容器にたくさんのメダカが生活していると、水中の酸素が不足し、正常に生きられなくなります。飼育可能な数は、容器の大きさとメダカの大きさによって決まります。前項「メダカに通した水」でお話ししたように、メダカの酸素消費量が、水中に溶け込んでいる溶存酸素量より少ない状態であれば、メダカは生きられません。必要な酸素は水面から溶け込んで来るわけですから、水面積の広い容器ほど溶存酸素量が多くなります。このことを踏まえて容器を選び、多くのメダカを飼いたいのであれば水面積の広い容器を購入してください。水深はあまり関係ありません。目安としては、30cm容器で6匹ぐらい、40cmでは10匹が理想です。もちろんこの数は、あくまでも目安ですから、飼育管理や飼育場所によっても違ってきます。多く入れるよりは、むしろ少なめに入れて飼育することか、上手に飼うための秘訣です。もう一つ、注意が必要なことは、購入したメダカを容器に移し替えた直後、メダカが飛び出してしまうことがよくあります。元気なメダカほど飛び出しやすいので、容器の上に1日程度網などで蓋をして飛び出さないようにしてください。飛び出す原因は、移し替えたときの容器の水がメダカの肌に馴れていないからです。1日すると馴れますので蓋を取っても大丈夫でしょう。ただし、その後、飼育しているときでも急に驚かせたりすると飛び出す場合がありますので注意してください。

2.餌を与えすぎない

メダカの飼育で失敗する原因のひとつは餌の与えすぎによるものです。可愛さと早く大きくなるようにと、つい餌を与えすぎてしまいます。しかし、メダカには胃がないので、食いだめができません。したがって、少しずつ何回かに分けて餌を与える必要があります。寒い時期を除いて、普通1日に2~3回、数分で食べ切る量の餌を与えるようにします。このとき、餌を与えすぎて、食べ残した餌が水底にたまっていると、これが水を汚す一番の原因になります。餌がメダカの口に入る大きさか、量、回数が多すぎないかなどをチェックして、自分なりのコツをつかんでください。水温の変化や、季節により餌の与え方を変えてください。特に、野外で飼育している場合は、晩秋から給餌量をうんと減らし、冬期はまったく与えなくてもかまいません。ただし、室内や暖房設備をした場合は、冬でも水温がある程度高いので、食欲はありますがそれにつられて餌を与えすぎると、夜間の冷え込みで消化不良を起こし、病気になることがありますので、注意が必要です。人間でもそうですが、メダカも腹八分目に与えるのがコツです。また、古くなった餌や、変質した餌はあなたの大事なメダカを病気にさせることがよくありますので、良質の餌を控えめに与えることが、メダカを上手に飼う秘訣です。

3.水害の悪化に注意する

水質の悪化に注意し、早めに適切な処置を行なうことです。それには、日頃から飼育容器の状態やメダカの動きをよく観察する習慣を、身に付けておきましょう。いつも眺めていれば、異常な状態にすぐ気づきます。初心者の場合は、水質が悪化しているかどうか見分けるのは難しいかもしれませんが、慣れてくるとすぐに判断できるようになります。水が濁ってきて透明度が落ちてきたら、水質が悪化しているので水替えが必要になります。魚を飼育している人は皆さん口をそろえて、この水替えの大変さを力説され、この水替えを上手くやる人は別骨トトのようにいわれます。しかし、長い間飼育しているとこの水替えがおっくうになってきます。そして容器もきたなくなりいつの間にかほったらかしになり、飼育も嫌になります。しかし、最後の章でお話する方法を取れば、ほとんど水替えの必要はありません。現在、筆者は大小あわせて30鉢の鑑賞鉢と10の飼育容器でメダカを飼育していますが1年に1回か2回程度しか水替えをしておりません。中には3年間水替えをしていない飼育容器もあります。ただし、室外で飼育しておりますので、蒸発に伴う水の不足分を時おり追加するだけです。あまりにも手がかかりませんので、5年目に一度ぐらいは水替えをしようと考えています。

4.かまいすぎない

メダカを飼育しているとメダカも飼育している人になつきます。ついつい可愛いからといって、餌を与えすぎたり、必要以上にかまいすぎてストレスを与えてしまい、病気になったりして死んでしまいます。そうならないためにも、必要以上にはかまわないようにしましょう。

飼育用具のいろいろ

飼育に必要な用具

メダカを飼う場合、池で飼育するケースもありますが、ふつうは入れ物(水鉢)にメダカを入れて楽しむ方が多いでしょう。ここでは、木鉢とそれ以外に必要な用具類について、説明します。他の魚類を飼育するためには選ぶのに困るぐらい、さまざまな種類、形、サイズのものが市販されていますが、メダカは上から鑑賞するものですからそれらの飼育水槽は役立ちません。では、どのようなものを選べばよいのか、説明していきます。

水槽

*水鉢(睡蓮鉢)

先にも言いましたようにメダカは上から鑑賞するものですから、それにあった容器が必要です。それが、水鉢になります。通常、睡蓮鉢という名前で市販されておりますので、皆さんも園芸店などで見られたことがあると思います。形は円形であまり深くありませんが、それがメダカの飼育には適しており鉢自体も鑑賞できます。このような鉢は、全国の陶芸の窯元で作られており、高い物から安い物まで各窯元で見つけることができると思いますので、ご自分の好みの鉢を購入されて飼育容器にするとよいでしょう。ただし、購入した鉢をはじめて使う場合は水だけを鉢いっぱいに入れて3日間放置してください。そうしないと、鉢に含まれているかもしれない有害物質のためにせっかくのメダカを死なせることになります。また、鉢の大きさによってメダカの飼育する数が決まりますので、たくさん飼育したい方は大きな鉢が必要です。例として、成魚を飼育する場合、直径30cmの鉢で6匹程度、40cmで10匹が目安です。歌にあるようなメダカの学校をつくるには、直行1mぐらいの鉢か、池か小川が必要です。また、飼育環境や飼育数を適切にすれば、立派なメダカが育ちメダカとは思えないような大きさに成長します(通常、成魚で25mm~35mmぐらいです)。

*手水鉢

これも水鉢と同様におすすめできるものです。インテリアのひとつとしても注目度が高い商品です。ただし、深さがありすぎますので、土で水の深さを調整してください。

*石臼

これも日本に昔からあるもので、本来、お餅をつくためのものですが、昔から風情のあるものとして日本庭園に多く使われてきました。しかし、欠点として底が浅いため夏場は水温が上昇しやすく、また、冬場に水が凍りついたときメダカも一緒に凍りついてしまうことがあります。できるだけ底の深い物を利用してください。

*ガラス製の容器

風情があり、夏向きな容器ですが、割れやすいという欠点があり、また、大きなサイズのものが少ないこともあります。ただし、窓際など少しのスペースのところにおいて数日間鑑賞したりするためには、よいでしょう。

*ガラス水槽

もっとも一般的な容器で観賞魚を飼うためのものとして普及しており、室内でメダカを飼う場合にも使用します。ガラス内部の側面にコケ(水草)がついて汚くなるという欠点がありますが、窓際など直接光が届く場所を避けた室内に水槽を設置すればコケがつくことが少なくなりますので、一度試してください。ただし、水草など植物の生育のためには光がいりますので、専用の照明器具の設置が必要です。その他、金属製(ただし、金属反応を起こし有害物質により水質が悪化し、メダカが死ぬことがある)などの容器がありますが、風情が無くインテリアの面からしてもメダカの鑑賞には適しておりません。

*繁殖用容器

繁殖を目的としたもので別に決まったものはありません。いろいろなもので代用できますが、プラ船という左官職人などが使うプラスチックの容器があります。耐久性が非常にあり深さも手頃で一番のおすすめです。ただし、数種類のサイズがありますので、40L前後のものが使いやすいでしょう。発泡スチロールや草化用プランターなどいろいろと使ってきましたか、プラ船かすべての面で優れております。

*その他の道具

水温計・・・・繁殖を自分でしてみようと思われる方は温度管理のために必要です。
・・・・メダカを移動するときに必要です。大小2種類用意しましょう。
スプーン・・・・メダカの稚魚(5mmぐらいまで)を移し替えるときに使います(稚魚を傷つけないで水と一緒にすくうためです)。
乳鉢・・・・稚魚に与える餌をすりつぶしてパウダー状にして与えるためです。
ピンセット・・・・メダカに使用することはありませんが、細かい作業をする上で必要です。
爪楊枝・・・・同じく細かい作業をする上で便利です。メダカが産んだ卵などを取り分けるために便利です。
容器・・・・メダカの移動や水の入れ替え時に便利です。どんなものでもかまいませんが、直径が16cmのボール型で口の付いたプラスチック容器を使い勝手が良いでしょう。最低限必要な道具は以上のとおりですが、後は各自飼育する上で必要な物は工夫してください。ご自分にあった道具が一番です。

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