アクアリウム飼育用の器具について

照明(ライティング)

照明(ライティング)は、水草の光合成にとっては欠くことのできない要素であるとともに、ライトアップにより、水草の美しさを楽しむ重要なアイテムの一つです。一般的には、熱帯魚観賞用に作られた青と赤がよく発色する蛍光管と、明るさと演色性をアップさせた高効率、高演色型の蛍光管の2本を組み合わせた、2灯式の蛍光灯が使われています。そのほかにも、最近では水銀灯やメタルハライドなどの、光束率が高く、水深の深い水槽でも光が届く電球タイプの照明も市販されています。

●昼光色(三波長型)

太陽光に似せた、自然で明るい光になる蛍光管。水槽のメインの光に使うのに最適で、熱帯魚の赤い色を美しく見せます。家庭用としても最も一般的に使われていて、値段も手頃です。昼光色、昼白色などいろいろな名前で呼ばれていますが「三波長型」と書いてあるものがこれです。

●植物育成用・水草用

植物の光合成に必要な、赤と紫の光を強調した蛍光管。熱帯魚ショップで売っている水草用や、園芸店で売っている植物育成用が、これにあたります。水草の育成に最適で、水草の線や熱帯魚の青い色を美しく見せます。ただし これだけだとやや暗く感じます。

●熱帯魚・海水魚専用蛍光管

その他、より男明るさを追求した熱帯魚用のもの、海水魚用に青の光を強調したものなど、いろいろなタイプの蛍光管が市販されています。値段は少し高くなりますが、好みの光を演出することができます。

●白色

昔からある家庭用の、白っぽい光の蛍光管。最も安価ですが、熱帯魚用にはまず使いません。

●電灯色・電球色

家庭用の、暖かみのあるオレンジ色っぽい光の蛍光管。熱帯魚用にはまず使いません。

●高輝度放電灯

高輝度放電灯は、水銀灯、ナトリウム灯、メタルハライド灯などの高効率、高輝度の電灯の総称です。中でも、水銀灯とメタルハライド灯は観賞魚用のものも市販されており、とくに最近ではメタルハライド灯のほうが注目されています。

底砂

砂は、種類によって水を弱酸性に傾けたり、弱アルカリ性に傾けたりします。そのため熱帯魚が好む水質にあった砂を用意する必要があります。最近は、川砂を薄く敷いて使う人が増えていますが、中~大型の魚を中心にする人は、植木鉢にソイルを入れて配置し、水草と小型魚を中心にする人は、ソイルを底砂に使うことをおすすめします。

●大磯砂

大磯砂とか南国砂と呼ばれる黒っぽい砂。手に入れやすく安価です。水質を弱酸性に保ち、たいていの熱帯魚の飼育に向きますが、根が張りにくいので、水草用には向いていません。

●珪砂

白っぽい砂で、水質を弱アルカリ性にします。アフリカンシクリッドなどを飼育したい場合に用います。

●サンゴ砂

サンゴの骨格が砕けてできた真っ白い砂で、水質を最もアルカリ性にします。アフリカンシクリッドなどにも使えますが、通常は海水魚に使われます。

●川砂

川で採取した天然の砂。国内で採取したもの、熱帯魚の原産地から採取したものなど様々な種類があります。

●水草用の砂

水草が根を張りやすいよう、たいへん細かい粒にしてあります。ソイルと呼ばれる焼土を使用することがほとんどです。掃除がしにくいため、熱帯魚をたくさん入れる水槽には不向きかも。

●その他

この他、○○サンドなどと名付けられた焼成砂やセラミック砂などがあります。保つ水質も、弱酸性、アルカリ性など様々。大磯砂などに比べると高めですが、好きな色を選べます。一方、五色石と呼ばれる金魚用の石は、粒が大き過ぎることが多く、熱帯魚にはあまり向きません。

石・流木・アクセサリー

水草だけを用いたレイアウトでも十分に美しい水槽を作り上げることができますが、岩や流木などを合わせることで、より自然な、落ちつきのあるレイアウトを演出することができます。また、ちょっとした遊び心でカエルのイミテーションなどの小物を用いるのも、楽しいものです。

石(岩)

石灰質を含む石(石灰岩、大理石、サンゴ岩など)や、水草にとって有害な物質を溶かし出す石(銅や鉛などの、金属物質を含む鉱石)でなければ、好みの形状のものを使ってもかまいません。ただし、中に入れる魚の種類によっては、体を傷つけるようなエッジを持つものは避けたほうがよいでしょう。

流木

はじめは、市販の磨き上げられた美しい流木を使ったほうがよいでしょう。ただし、シンガポール、フィリピン、南米、アフリカなどから輸入された流木は、そのまま水槽に入れるとアクが出ることがあるので、十分に煮沸(しゃふつ)し、さらに数週間から数ヵ月間水につけこんで、アクを抜いてから使うようにします。採集した流木で、どんな種類かわからないものは、水草の育成には不適格なこともありますから、使用しないほうがよいでしょう。

流木の役割

①美しく、趣(おもむ)きのあるレイアウトを演出する
②水質を弱酸性にする
③熱帯魚の隠れ家や産卵床となる

アクセサリー

流木や石、岩などのほかにも、ちょっとした小物やアクセサリーでユニークな演出をするのも楽しいものです。アクアテラリウムの葉の上にカエルのイミテーションを置いたり、アマゾンレンガに水草を植えこんだりと、さまざまな小物をレイアウトに取りこんでいます。中には恐竜のレプリカを水中に沈め、古代魚と呼ばれているポリプテルスを泳がせ、ワンダーランドを演出した楽しい水槽もあります。ちょっとしたアイデアしだいで、オリジナリティあふれる自分だけの水槽を作り上げることができるのも、アクアリウムレイアウトの醍醐味といえるでしょう。ただし、水草をメインにしたレイアウトにまま。派手な小物を川いると、かえって見苦しくなることが多いので注意が必要です。

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