Q 水槽をセットして熱帯魚を入れたところ、全滅してしまいました。病気ではなさそうなのですが、何が原因でしょうか?
A 熱帯魚の死の原因が、アンモニアや亜硝酸であるかどうかは、アンモ二ア試薬や亜硝酸試薬で調べることができます。本当は最初から試薬を揃えて、熱帯魚を入れる前後に計り、危険を防止するとベストです。試薬には、リトマス紙のように浸けるタイプ、水を汲んで薬を滴下するタイプなどがありますが、どちらも色の変化で判断をします。難しそうに思えますが、やってみれば簡単なことなので、ぜひ計って下さい。アンモニアや亜硝酸などの有害度は下の表の通り、計ってみて致死量を超えていれば、ろ過バクテリアがちゃんと増えていなかったことが全滅の原因です。ろ材やセットの仕方を、再点検しましょう。
○熱帯魚 | |||
有害度 | アンモニア | 亜硝酸 | 硝酸 |
理想的 | 0 | 0.1以下 | 25以下 |
問題あり | 0.25 | 0.5 | 50 |
危険 | 0.5 | 1 | 100 |
○海水魚 | |||
有害度 | アンモニア | 亜硝酸 | 硝酸 |
理想的 | 0 | 0.1以下 | 20以下 |
問題あり | 0.25 | 0.5 | 40 |
危険 | 0.5 | 0.8 | 60 |
Q 硝化細菌、ニトロバクター、ニトロゾモナスって、何ですか?
A 硝化細菌は、ろ過バクテリアのこと。アンモニアや亜硝酸に含まれる窒素分を分解することを、硝化といいます。また、ニトロバクタ-、ニトロゾモナスは、ともにろ過バクテリアの種類のこと。アンモニア→亜硝酸の過程を担当するのがニトロバクター、亜硝酸→硝酸の過程を担当するのがニトロゾモナスです。ただ、この辺の細かいことは、覚えなくてかまいません。ろ過バクテリアは水をきれいにしてくれる大切なもの、ということだけしっかり頭に入れておきましょう。
Q ろ材は、厚く敷くほどよいのでしょうか?
A ろ材にも、適した厚さというものがあります。ろ材バクテリアは好気性なので、酸素のない所にはいません。砂の表面から下に行くほど酸素が消費されるので、ろ過バクテリアの数が少なくなるわけです。具体的にいうと、砂の大きさが3~5mmの場合、表面から3cmまでが100%とすれば、10cmで約半分、15cmまでいくとほとんどいません。ろ材は7 ~8cm以下にして下さい。一般的な上部ろ過の場合は、もともとろ過槽の高さが5cmほどしかないので問題ありません。しかし、底面式ろ過の場合、厚く敷き過ぎないように気をつけて下さい。外部式ろ過の場合は必ず、砂を水通りのよい専用ろ材と組み合わせて、酸素が最後まで行き渡るように工夫してあります。一方、ろ材を厚くし過ぎると、困っ たことも発生します。酸素がない所を好む、嫌気性バクテリアが繁殖するのです。嫌気性バクテリアは好気性バク テリアの逆の働きをする、つまり硝酸を亜硝酸に、さらにアンモニアに戻してしまう、悪い奴です。これが発生しては、せっかくのろ過槽が逆に水を汚すもとになってしまいます。この悪いヤツは、普段うまく機能しているろ過槽にも、掃除をさぼると現われます。ろ材がゴミで目詰まりして、酸素が行き渡らなくなるからです。日常のメンテナンスが大切なのは、こうした理由もあるからなのです。
Q ろ材に、ゼオライトや活性炭を使うとよいと聞いたのですが。
A ゼオライトや活性炭は、他のろ材と異なり、悪いものを吸着することでろ過をするものです。何らかの理由で水替えができない、水の中の悪い物質を急いで取り去りたい、などという場合に便利です。ただ短期間しか効果がなく、これ以上吸着できないという状態になったらただのろ材の一部になります。
Q エアーレイションって何ですか?
A エアーポンプを使って空気を水中に送り込み、水流を起こして酸素を水中に溶け込ませることをエアーレイションと呼びます。酸素は抱から直接水中に溶け込むのではなく、水面から水中に溶け込みます。つまり水流によって次々に新しい水が空気に触れ、酸素が溶け込むわけです。また、エアーレイションは水がよどむのを防ぎ、水槽内の温度を一定にする役目も果たしています。