陸棲ガメ1
森などの湿った陸地で生活するカメのグループ。乾燥した場所は好まないのですが、水にもあまり入りません。温度管理や湿度の調整も飼育における大切なポイントです。甲羅に蝶つがいがあるハコガメなど、魅力的なカメがたくさんいるので飼育を楽しみましょう。
アシポチヤマガメ
分 布 | 南米北部 |
甲 長 | 約25cm |
飼育難易度 | 普通 |
エ サ | 配合飼料、昆虫類、果物類等 |
適 温 | 22~27℃ |
飼育容器 | 90cm以上 |
特徴
名前のとおり、足に黒い斑点模様があります。森林や池沼に棲息。
飼育
基本的に陸棲種ですが、水に入ることも多いため、水場をやや大きめに設置。植物性の強い雑食性で、とくに幼体には植物性のエサを中心に与えましょう。
オオヤマガメ
分 布 | 東南アジア |
甲 長 | 約43cm |
飼育難易度 | やや難しい |
エ サ | 配合飼料、野菜類、果物類等 |
適 温 | 24~27℃ |
飼育容器 | 150cm以上 |
特徴
流れのゆるやかな河川や水田、湿原やその周辺部に棲息する大型のヤマガメです。小さなうちは、顔や手足に赤い模様があるものもいますが、大きくなると、その模様は消えてしまいます。背甲の中央に走るキールが白くよく目立ちます。幼体のころ赤茶色の背甲も成体になると黒いカメになりますが、このカメの美しいところは腹甲で、細い放射模様があります。
飼育
草食性の強い雑食性で、配合飼料にも餌づきやすいです。しかし、カルシウムが不足したり、動物性のエサを中心に与えると肥満したり、突然死することもあるため注意が必要。大型になるので広い環境で飼育します。この種も温度管理がポイント。
キタニシキハコガメ
分 布 | アメリカ合衆国 |
甲 長 | 約14cm |
飼育難易度 | 普通 |
エ サ | 雑食性用の配合飼料、昆虫類、ピンクマウス等 |
適 温 | 24~27℃ |
飼育容器 | 60cm以上 |
特徴
二シキハコガメの基亜種で、草原など乾燥した場所に棲息。ヨーロッパなどで繁殖された個体が入荷しますが、流通量は多くありません。
飼育
乾燥気味の環境を用意。肉食傾向の強い雑食性なので、エサは果物、昆虫類やピンクマウスなどを与えるとよいでしょう。
クロヤマガメ
分 布 | 東南アジア |
甲 長 | 約38cm |
飼育難易度 | 普通 |
エ サ | 配合飼料、冷凍エビ、果物類等 |
適 温 | 22~27℃ |
飼育容器 | 120cm以上 |
特徴
分布は広く7つの亜種が知られており、写真は亜種のビルマヤマガメ。水に入ることもありますが、陸上で生活することが多いです。
飼育
枯れ葉などに潜る習性があるため、水コケや腐葉土を厚めに入れてあげると、その中に潜って休みます。雑食性で配合飼料にも餌付きやすい。水にも入るので。水場を設けましょう。
コガネハコガメ
分 布 | 中国(安徽省南部) |
甲 長 | 約15.5cm |
飼育難易度 | 普通 |
エ サ | 配合飼料、乾燥飼料、果物等 |
適 温 | 24~28℃ |
飼育容器 | 60cm以上 |
特徴
中国の安徽省南部に分布する固有種。薬用などで乱獲され、現地で保護されています。CITESのⅡ類に入ったため、ハコガメの仲間としては入荷は少なく高価です。
飼育
水に入るのが好きなため、水場を大きく作ったアクアテラリウムでの飼育が適しています。飼育は比較的容易。
セマルハコガメ
分 布 | 中国、台湾、日本 |
甲 長 | 約19cm |
飼育難易度 | 容易 |
エ サ | 配合飼料、昆虫類、果物類等 |
適 温 | 24~28℃ |
飼育容器 | 60cm以上 |
特徴
一般に流通しているのは、チュウゴクセマルハコガメメと呼ばれる亜種。日本には石垣島、西表島にヤエヤマセマルハコガメと呼ばれる亜種が棲息しており、天然記念物に指定されています。ハコガメの仲間は、腹甲に蝶つがいがあり、頭と四肢をしまったあと、甲羅をピタッと閉じることができます。これは、アリなどの小さな昆虫の侵入を防ぐためなどに役に立っているといわれています。
飼育
飼育は容易で、昆虫類や果物をよく食べ配合飼料にも餌づきやすいです。ケージにはカメが入れる広さで、浅い水入れを入れてやり、多湿に保ちます。このグループの昼の設定温度は、ホットスポット30度、環境温度は25度前後。夜は最低でも20度を保つようにしましょう。