カメ カメの行動を知る

カメの動きや習性

カメは、水の中を泳いだり、ノソノソ歩くなど、動きを見ているだけでも愛らしいものです。そんなカメの行動には、他にも食べる、眠る、日光浴をする、登る、穴を掘る、隠れるなど、いろいろ。また、カメの行動はすべて同じではなく、グループや種類によっても異なることが多いので、それぞれに合った飼育方法も違います。あなたのカメに最適な環境を用意するたには、カメの行動をよく理解することが大切です。

カメ 歩く
歩く

ウサギとカメの童謡でも知られるように、カメといえばゆっくり歩く生き物というイメージがあります。確かにがっしりした重い甲羅を持つ完全陸棲種のカメたちは、比較的ゆったり動くので、童謡に出てくるカメのイメージに合います。野生のリクガメは歩いてエサを探すため、運動量もかなりのもの カメが歩く姿は見ごたえがあります。水中にいることが多いヌマガメも、観察しているとけっこう歩いているように見えます。ニオイガメやトロガメ、マタマタなどは、泳ぐというより水底を歩いて移動するカメたち。また、ウミガメやスッポンモドキのように産卵時以外は泳いでいて、ほとんど歩かない種類もいます。

穴を掘る・潜る

カメの仲間は、意外にも穴掘りが得意。とくに完全陸棲種の乾燥した場所に棲息しているカメは、日中の暑さや乾燥を避けるために、かなり深くまで穴を掘る種類が知られています。完全陸棲種を春から秋にかけて屋外で囲いを作って飼育する場合、囲いの下に穴を掘って脱走してしまうことも少なくありません。そのため、屋外で飼育するときは、少なくとも地中40cm程度までコンクリートブロックなどに埋め込んで脱走を予防しましょう。水の中で暮らす水棲種の中でも、スッポンの仲間は泥や砂に潜るのが得意。そうすることで外敵から身を隠し、姿を隠すことでエサとなる魚や甲殻類が警戒しなくなるため、エサを捕まえやすくしているのです。スッポンの仲間を飼育するときには、目の細かい砂を体が隠れる程度に入れてあげると落ち着きやすくなるようです。

日光浴

カメは環境の湿度によって体温が変化する外気温動物 暖かい場所とそうでない場所を移動することで体温を調節します。効率よくエサを消化するためには体を温める必要があるので、朝起きたたきや食事のあとは甲羅干しタイム。太陽光が当たる場所やホットスッポトに行って日光浴をします。のんびりと光を浴びて甲羅干しする姿は、見でいるだけで心がなごむ光景です。

食べる

カメは種類によって食性がいろいろですが、食欲は旺盛なので、豪快にエサを食べる様子を楽しみましょう。アカミミガメやクサガメなどのヌマガメは雑食性で市販のカメ用配合飼料のほか、野菜や小魚なとの生き餌も大好きです。リクガメは草食性のカメたち、草食性のリクガメのエサは、青菜や野草が中心です。陸棲カメの中でも森林などに住むカメたちは雑食性の傾向が強いです。自然では植物のほかにコオロギやカタツムリなとの昆虫、小動物の死骸なども食べています。カメの種類によっては、新しい飼育環境になれるまで、なかなかエサを食べてくれないものも少なくありません。そのため、入手直後はあまり手でさわったりせず、エサを食べるようになるまで落ち着いた環境を作るように心がけましょう。

カメ 泳ぐ
泳ぐ

カメの中には泳ぎが得意なカメと苦手なカメがいて、ほとんど泳げないカメもいます。カメか泳ぐ姿を見たいという人は、泳ぎが得意な水棲カメを選びましょう。泳ぎか得意なカメは、四肢か大きく水かきかついていて、リクガメとはまるで違った形をしています。ウミガメなどはかなりのスピードで泳ぎます。

眠る・冬眠する

カメはどこで眠るのでしょうか?。水中で眠るヌマガメや、シェルターの中に入って眠るリクガメなど、眠る場所はそれぞれ。みんな一番安心できる場所に落ち着いて眠るようです。冬眠をするときも、水底に潜るカメ、土に潜るカメと様々。また、冬に温度が低下する場所に棲息するカメは、冬になると冬眠します。冬眠は、落ち葉や土に潜って冬眠する種類と、水の中で冬眠する種類がいます。冬眠する種類のカメを飼育する場合でも、冬場に保温をする加温飼育をすることで冬眠をさせずに飼育することが可能です。冬眠をさせる場合は、冬眠前と冬眠中は、カメのコンディションをよく確かめることが重要。体の異常が認められるときは、すぐに冬眠を中止して、加温飼育に切り替えるようにしましょう。

呼吸する

カメは肺で呼吸する動物。水棲ガメがときどき鼻先を水面に出しているのは、呼吸タイム。水中で冬眠すぎカメたちは皮膚呼吸や粘膜呼吸もできますが、通常は鼻で呼吸する姿がよく観察できます。カメは甲羅があるため、呼吸のときはノドをふくらませたり、四肢を動かして呼吸をサポート。リクガメは四肢を小さく動かして呼吸します。

怒る&驚く

カメは普段は鳴かない動物です。でも、怒ったときや、びっくりしたときは、「ヒュー」とか「プッシュー」などの音をロから出します。そういうときは、くちばしを開けて、相手を威嚇します。カメが口を開けて怒っているときは、手を近づけると噛まれることがあるので要注意。

日光浴は体を維持するための必須条件

カメ 日光浴

カメが日光を浴びるのは、体のしくみの上で欠かすことのできない行動。カメが健康に暮らすには、栄養や水分を摂るのと同じように、日光が必要不可欠なのです。日光浴には、次のような働きがあります。
1.体温を上げる
外気温動物であるカメは、体温を一定に保つ機能を持たない。環境の気温によって体温を上げ下げする。そのため、日光浴をして体温を上げることが必要なのだ。
2.代謝を高める
日光浴にようて体温が上がると体内の代謝が高まり、活動したり、食べたものを消化することができる。寒い季節は代謝を高めることができないため食欲も減り、温帯のカメは冬眠する。
3.日光で体を殺菌
甲羅干しは、日光の殺菌作用を利用した病気の予防法のひとつ。日光浴で皮膚を殺菌したり、日光に当たって体を乾かすことで、カメたちは皮膚病や寄生虫を防ぐのだ。
4.ビタミンD3を合成
カメは甲羅があるため、多くのカルシウムが必要。日光によって紫外線を浴びると体内でビタミンD3が合成され、エサで摂ったカルシウムの吸収をよくする働きがある。

窓ガラス越しの日光浴は無意味?

カメの飼い主さんの間では「ガラスごしの日光浴は意味がない」という説が広まっていますが、本当でしょうか。ガラスは確かに紫外線を吸収します。しかし、可視光線や赤外線、遠赤外線は通すので、体を温めたり、光周期を与えることによる効果が期待できます。真夏の直射日光は熱射病などの心配があるので、温度の上昇に注意。それ以外の季節は、可能な限りガラス越しでも日光浴をさせましょう。

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