.交尾してから産卵まではどのくらいの時期がありますか?
.交尾後、産卵までの期間はまちまちで、約1~4か月のことが多いようです。しかし、カメは一度交尾をすると、数年間は交尾をしなくても有精卵を産むことができるといわれています。1~2年後までは高い確率で有精卵を産卵し、数年後でも低い確率ですが有精卵が産まれるようです。
.カメの産卵は年1回ですか?
.カメは春と秋を合わせると、年に数回の産卵が可能だといわれています。温帯に棲息するカメは冬眠開けの春から秋にかけて、熱帯のカメでは降雨などが繁殖のきっかけになることが多いようです。飼育下での産卵は、年に1~2回から多いときで5~6回ということもあります。なお、1回の産卵数は種類や個体によってまちまちで、数個が一般的ですが、1~10個程度が多いでしょう。
.卵のときの温度で、性別が決まるのですか?
.カメは卵のときの周囲の温度でオス・メスの性別が決まるといわれています。境界温度は種類などによってさまざまです。たとえば、ギリシャリクガメでは、29.5℃ではすべてオス、31.5℃ではすべてメス、30~31℃ではオスメスが混在していたというデータがあります。アカミミガメでは、28℃以下はメス、29℃ではオスとメス、30℃以上でオスというデータもあります。境界になる温度は、25~32℃くらいのことが多いようです。
.繁殖させたいときは、冬眠させたほうがよいですか?
.一般的に繁殖をねらうときは、冬眠させたほうが成功しやすいといわれています。しかし、冬眠は命の危険をともなう行動なので、できれば冬は加温して起こして飼いたいという人も多いでしょう。ミツユビバコガメなど、冬眠をさせないと繁殖が難しい種類もいますが、そうでない種類の場合、一時的に冬を体験させることで繁殖を促す方法があります。期間は数日間から数週間ほどで、その間、通常より飼育温度を2~6℃くらい低く管理。人工的に低温期を作り、繁殖行動を誘発させます。
.カメは鳴きますか?
.カメは、イヌやネコのように声を出して鳴くことはありません。しかし、驚いたときなどは、「ヒュー!」と音を出したり、交尾の際にオスが吠えるように音を出すことが知られています。
.眼がはれて、いつも眼を閉じています。持ち上げてもすぐには眼を開けません。病気なのでしょうか?
.これはカメには多い病気で、毎日あたえるエサのバランスが悪いとよくみられる症状です。とくにビタミンAが不足していて目のまわりがはれたり、目を閉じたままでいることがあります。治療法としては、ビタミンAを多く含んだエサをあげたり、カメ用のピタミンAや総合ビタミン剤をエサに添加します。また、水槽の水がよごれているときも眼がはれることがあります。これは水の中の細菌に感染してしまったためです。いつも水を清潔にしておくことで予防できます。
.甲羅が、以前よりやわらかくなったような気がするのですが?
.カメの甲羅の病気のなかでいちばん多いのが、カルシウムが不足することによって起こる軟化や変形です。紫外線やビタミンD3が足りないことも考えられます。健康な甲羅は、さわるとかたさを感じますが、フ二ャフ二ャとやわらかいときは軟化を起こしている可能性があります。改善するには、多少時間はかかリますが、カルシウム、ビタミンD3をバランスよくエサに加えることと、十分日光浴をさせることです。そうならないためにも、エサの栄養バランスや日光浴など、日常の飼育管理をしっかりとしましょう。
.カメの首や足の皮膚に白っぽい綿のようなものがついていますが、放っておいてもだいじょうぶですか?
.これは水生ガメに見られる症状で、水が汚れている状態が続いているとき、カメの皮膚の傷ついたところに菌が侵入して起こります。放っておくと全身に広がることもあります。飼育容器内に陸がなかったリ、小さすぎて十分に甲羅を乾かすことができないと発病率も高くなります。治療としてはまずよく日光浴をさせて体を乾燥させます。そして薬浴(熱帯魚用の細菌性皮膚疾患用の薬など)が効果があります。予防するには、水かえをこまめにし飼育容器内を清潔に保つことと日光浴を十分させることです。複数で飼っている場合は傷がつきやすいので、気づいたら早めに別の容器に移すなどの処置をしましょう。
.カメの寿命はどのくらいですか?
.カメは長寿のイメージがありますが、半水棲種や水棲種、陸棲種では、約20~30年といわれています。完全陸棲種のカメは長寿で知られ、自然界では50年から100年、中には150年以上というデータもあります。カメを飼うときは、本来の寿命をまっとうできるように飼うようにしたいものです。
.可愛がっていたカメが死んでしまったら
.カメが病気になると、残念ながら死んでしまうケースもあります。そのときは安らかに眠れるよう見送ってあげましょう。庭にお墓を作れればいいのですが、住宅によってはむずかしいことも。動物の遺骸は自治体が引き取ってくれるので、地元の自治体に問い合わせてみましょう。民間で火葬してくれる会社もあります。カメが死んでしまったときは、飼育環境やエサなどが、適切だったかどうか、考えてみるよい機会です。もしまたカメを飼うことがあるなら、次のカメの飼育に役立ててください。