エサやりの基本
カメは朝起きて体を温めてから活動開始。食事のあとも、体を温めて消化を促します。彼らの活動パターンに合わせてエサやりをすることが飼育のポイント。
エサを食べるのにベストな時間帯は?
カメは外気温動物のため、夕方から朝にかけて気温が低いときは、活動せずにじっとしています。この時間帯はエサを食べるのに適していません。彼らは昼間に体温をあげて食べたものを消化・吸収するため、カメの行動バターンに合わせて給餌することが大切。日中に活動するカメは、お昼すぎにいちばん体温が上がります。エサは、午前中から昼ごろまでにあげるのがベスト。夕方以降にエサをあげると、食べても消化しにくくなり、食滞や便秘になりやすいのでおすすめできません。
エサの回数と量
カメのエサやりは、基本的に1日1回でOKです。子ガメは毎日あげること。雑食性のおとなガメは、週1~2回、エサを抜くのがおすすめ。ただし、ギリシャリクガメやケヅメリクガメなど完全陸棲ガメなど草食性のカメは、毎日あげるのが基本です。1回に与えるエサの量は、雑食性のカメでは、甲板1枚の大きさ、または頭の大きさ程度といわれています。しかし、野菜や果物などの植物性のエサは、食べるだけ与えても問題ありません。エサの量は、食べきれる量が目安。エサやり後はよく観察し、エサを残すときは量を減らします。
●水棲ガメは水中で食べる
水棲ガメは水中でエサを食べます。ケージ飼いになれると陸場で食べることもありますが、水中で食べるほうがカメにとっては自然です。エサは水中に入れてあげましょう。食べ残しのエサがあるときは、アミですくって水が汚れるのを防ぎます。
●陸棲ガメはエサ容器に入れて
陸棲ガメのエサは、浅いエサ入れに入れて陸場で給餌。野菜は小さめに刻んで与えるのがポイント。3~5種類以上の野草&野菜を混ぜるのがバランスを保つ秘訣です。エサ入れは野菜が傷まないよう、ホットスポットやパネルヒーターなどのある場所は避けて置くこと。夕方にチェックし、残っているエサは取り出します。
食べ残しはどうする?
エサを食べ残した場合は、半水棲種や水棲種では水が汚れるので、早めに取り出すこと。陸棲種に肉類や魚介類をあげた場合も、食べ残しは傷みやすいので取り出しておきます。野菜や野草は1日くらいエサ容器に入れておいても大丈夫でしょう。
子ガメのエサやり
子ガメや家にきたばかりのカメ、弱ったカメにエサを与えるときは、食べやすい大きさのエサを与えること。雑食性や肉食性なら、冷凍アカムシなどの細かいエサを、草食性なら野菜や果物を細かく刻んで与えます。子ガメと親ガメでエサの内容が変化する種類もいます。雑食性の半水棲種などは、子ガメでは肉食傾向が強い雑食性ですが、成長につれて草食傾向が強い雑食性に変化。子ガメのうちは成長期なので、エサは食べるだけあげてOKです。夏場はとくにエサが傷みやすいので、食べ残しはこまめにチェックして取り除きましょう。
大人カメのエサの回数
雑食性のカメは、子ガメのうちは肉食傾向が強いのですが、成長とともに草食傾向が強くなります。雑食のおとなガメは、植物質のエサは食べるだけ与えていいのですが、たんばく質は控えめに。配合飼料や生き餌を食べている雑食&肉食のおとなガメは、週に1、2回エサを抜いて絶食させると調子がいいようです。食べすぎは肥満の原因になります。草食性のリクガメは、おとなになってもエサは毎日食べるのが基本。カメが食べるだけ与えましょう。
カメはいつ水を飲む?きれいな飲み水を与えよう
●水棲ガメは水を飲む?
水棲ガメはエサを水中で食べながら、同時に水も飲んでいます。水場は生活の場でもありますが、飲み水も兼ねているというわけ。飼育ケージの水は、いつもきれいにしておくこと。水が汚れているとカメが水を飲まなくなり、水中にいるのに脱水症状になるというケースもあります。
●リクガメの飲み水は?
リクガメのケージに水場を置くと、ケージ内に湿度をあたえるだけでなく、カメが中に入ったり、飲む様子が観察できます。いつもきれいな水を入れておきましょう。ただし、乾燥した陸場を好むリクガメは、水を飲まずにエサの野草などから水分を摂喝する個体も多いようです。水を飲むカメと飲まないカメがいるので、最初は飲み水を設膚し、飲まないときは出してしまってもok。リクガメは、温浴(p124)をさせたときに飲水するカメも多いです。
水替えと掃除
かわいいカメにはついついエサをあたえすぎることも多いものです。その食べ残したエサやたくさんするフンで、すぐに水がよごれてしまうことになります。水をよごれたままにしておくと、悪い菌が簸殖し、カメの病気の原因にもなります。ですがら、フンは目についたら必ずすぐ取り除き、水がにごったり、臭くなる前に水をとりがえてあげましょう。水かえは週に1~2回が理想です。夏にはカメはよく食べて、たくさんフンをするので毎日でもいいぐらいですが、最低でも週に2~3回は水をかえをしたほうがよいでしょう。水かえには、できるだけ1日くみおきした水を、今までの水温と温度合わせて使うようにします。くみおきを忘れたときも温度にだけは気をつけましょう。
※昆虫を与えるときの注意点
生きた昆虫を与える場合は、エサが逃げたり、カメが捕まえきれない場合もあります。コオロギなど動きの速い昆虫は、事前に冷凍して凍死させてから与える方法がおすすめ。これなら、死んでいても新鮮なまま与えることができます。
※エサの保存
配合飼料や乾燥飼料は、開封後は酸化して劣化しやすくなるため、密閉できる容器に移し、空気を遮断して保存すること。購入する際、容器の大小を選べる場合は、多少、割高でも小さいパッケージのものを選んだほうが使いきりやすくおすすめです。冷凍飼料は、開封後は密閉容器やチャックつきの保存袋などに入れて保存。野菜や魚介類などは冷蔵保存し、早めに使いきること。魚介類は1~2日しか冷蔵保存できないので、残るようなら早めに冷凍を。金魚やメダカなどの生き餌をストックするときは、バケツやプラケースなどの容器に、エアレーションや簡易フィルターをセットしてストックします。
※注意
基本的にカメに人の食べ物はあげないこと。雑食や肉食のカメは食欲が旺盛で、なんでもよく食べます。しかし、人間用に味付けしてある食品は、カメの健康を害します。とくにハムや練り製品などの加工食品は、塩分、脂肪分とも多すぎて最悪。肉類をあげるなら、鶏のササミや内臓などの脂肪が少ない部分をゆでて与えること。チーズなどの乳製品、お菓子もあげないこと。また、草食のリクガメに果物や動物性たんばく質のエサをあげすぎるのも問題です。果物などは嗜好性が高いので、喜んで食べるカメが多いものりしかし、あげすぎはよくないので、少量におさえることが大切です。